スポーツの力~#7渡辺俊和
会場にはたくさんの観客。
子供から大人まで多くの方が来場していた。
チームにとって初めてのS/Jリーグ。
無観客開催だった昨年のS/JリーグⅡの景色とはまた違った。
チーム創部当初から目標に掲げていたトップリーグ昇格。
6月に行われた全日本実業団ではベスト8に入賞したものの、
今回のリーグ戦に対して楽観できる材料ではなかった。
準々決勝で対戦したトナミ運輸との試合では惨敗。
力の差を突き付けられ、自分たちはまだまだだと感じた。
S/Jリーグが近づくにつれて少しずつチームにも緊張感が生まれてきた。
「チームで勝つ」
「練習でチームメイトに負けたら試合に出られない」
という雰囲気が少しずつでてきた。
選手からも「日曜日も練習しよう!」という声があがり、
大学の体育館をお借りして休日返上で練習した。
科学的に考えたらオフをとって身体を休めた方がいいのかもしれない。
それでも「勝ちたい」「このままじゃ勝てない」という気持ちが発言に表れ、行動に移した。
その1日を練習したからといって強くなったり上手くなったりするわけでもない。
ただ、その行動の一つ一つ、小さな積み重ねが後に自分達を強くすると思う。
そう信じるしかないのかもしれない。
S/Jリーグ初戦は0-3で敗退するも、二戦目は2-1で勝利。
この一勝がチームにとって歴史、リーグの戦績を含め色んな意味で大きな一勝となったと同時に、
少し肩の荷が下りたものでもあった。
もちろんこの一勝がゴールでもないし、歓喜の祝杯をあげるわけでもない。
ただ少しチームにあった見えない緊張や不安が和らいだ。
また11月末に開催された札幌大会でのホーム戦はとても鳥肌がたった。
大会運営の規定により声だしNGではあったが、サポーターによる劣勢な場面での拍手には心揺らいだ。
コートで試合をしている選手、ベンチで応援している監督・コーチ・選手、観客席にいるサポーターが
「絶対に次の一点をとる」
「勝利のために」
という想いが一つになった瞬間だった。
正直、他のどの会場よりも「一体感」はあったと思う。それぐらい一つになっていた。
このとき「コンサドーレに入団してよかった」と、ふと思った。
リーグ5戦を終えて2勝3敗。
結果として「トップ4」という目標には届かなかった。
しかし2月の順位決定戦、来年のS/Jリーグに向けてのスタートは切っている。
自分を含め選手全員が「何が良くて、何を改善する必要があるか」を考え言語化し、
日々の練習に取り組んでいかなければならない。その小さな積み重ねを大切にしていく。
そしてサポーターと一緒にまだ見たことのない景色をつくっていく。
今回のリーグ戦を通して、実際に会場に来ていただいた方、
ネット配信で試合を観ていただいた方の中で一人でも多くの人がコンサドーレの試合を観て
「前向きな行動のきっかけ」になれたら嬉しい。
これからもこのチームはスポーツの力で北海道を、そして日本を元気にしていきたい。
最後に、2022年のコンサドーレバドミントンチームを応援、ご支援していただいた皆様に感謝申し上げます。
これからも強くなり、逞しくなっていく選手・チームを宜しくお願い致します。